米労働統計局は9日、3月までの1年間について雇用者数のベンチマーク(基準)改定を発表し、91万1000人の下方修正となりました。最大100万人と予想され、事前に織り込まれていたと思われます。今夜は米PPI、明日は米CPIが発表されますので注目はそちらに移ります。
*当サイトは個人の見解です。投資判断は各人の判断で行ってください。
ここまで
ジャクソンホール会合でパウウェル議長が利下げ容認姿勢
米雇用統計 8月雇用者数は2.2万人増、予想7.5万人増
FedWatch 0.25利下げ 91.8% (前日 88.4%) 年内 3 回
FedWatch 0.50利下げ 8.2% (前日 11.6%)
ファンダメンタルズ
日本市況
【日本市況】円が146円台に上昇,米利下げ観測や雇用改定警戒でドル安
9日の日本市場では円相場が一時1ドル=146円台後半に上昇。米国の利下げ観測や雇用者数の大幅下方修正に対する警戒感を背景にドル売りが優勢だった。株式は日経平均株価が初の4万4000円台に乗せた後、失速して反落で終了。債券は超長期債が上昇した。
株式
株式は下落。米国で年内の利下げ観測が強まり景気敏感業種が上昇したことを受けて買われた後、利益確定の売りに押された。
非鉄金属や鉄鋼といった素材関連の下げが大きく、銀行や証券など金融株も安い。半面、アドバンテストなど半導体関連の一角は上昇した。
債権
債券は超長期債が上昇(利回りは低下)。利下げ期待から米長期金利が低下した流れを引き継ぎ、買いが先行した。
為替
円相場は一時1ドル=146円台後半に上昇。米利下げ観測や雇用者数修正への警戒からドルに売り圧力がかかった。
ニュース
日銀は政治混迷でも年内利上げ排除せず、今月は政策維持へ-関係者
日銀は18、19日に金融政策決定会合を開き、経済・物価情勢を入念に点検する。関係者によると、引き続き不確実性が大きい中で、今後本格化する米関税政策の影響や国内政治情勢を受けた金融市場の動向などを見極めるため、0.5%程度の政策金利の維持を決める公算が大きい。
1月以来の利上げに向けて進展が見られており、当局者の一部には早ければ10月にも利上げが適切になるとの見方もあるという。
米雇用者は過去最大の下方修正へ、年91万1000人-年次改定の推計
米雇用者数の伸びは2025年3月までの1年間、従来の発表値よりはるかに低いものだった可能性が高い。9日に発表された年次ベンチマーク(基準)改定の推計値で明らかになった。米金融当局に対する利下げ圧力が強まりそうだ。
米労働統計局が発表した推計値によれば、3月までの1年間の雇用者増は91万1000人下方修正されそうだ。下方修正幅は同統計史上で過去最大。1カ月当たりでは7万6000人近い下向き改定となる。確報値の発表は来年2月に予定されている。
ベンチマーク改定の発表前の段階では、雇用者数は3月までの1年間に約180万人増(季節調整前)だった。月平均では14万9000人増。年次改定で、1カ月当たりの雇用の伸びがその約半分だったことが示された。
イスラエル、ハマス指導部狙いカタールで攻撃-アラブ諸国の反発必至
イスラエルはカタールの首都ドーハで、イスラム組織ハマスの指導部を標的にした前例のない攻撃を実施した。パレスチナ自治区ガザでの戦争を巡るイスラエルとアラブ諸国の緊張は一段と高まるとみられる。
マクロン氏、新首相に側近ルコルニュ氏を任命-予算案可決へ重責
フランスのマクロン大統領は9日、前政権で国防相を務めたセバスチャン・ルコルニュ氏を新首相に指名した。長年の盟友を起用し、分裂状態にある下院で予算案の可決という重責を託す。
【欧州市況】フランス債利回りがイタリア債上回る-株ほぼ変わらず
9日の欧州債市場では、フランス10年債利回りがユーロ圏史上初めてイタリアを上回った。フランスでの政局・財政問題が同国債への需要を損ねている。
この変化は技術的な要因が影響した。フランス10年債利回りの指標として使われる債券が、イタリアのそれよりもやや償還期限の遅い銘柄に切り替わったためだ。
米国指標
【米国市況】S&P500が最高値、米国債は反落-インフレ指標発表前に
株式
9日の米国株市場ではS&P500種株価指数が続伸し、史上最高値を更新した。雇用の減速を受けた利下げへの期待から買いが優勢になった。今週発表されるインフレ指標は市場の強気な見方を試す展開となりそうだ。
債権
米国債相場は5日ぶりに反落。年次改定での雇用統計の下方修正は織り込み済みとみなされ、今週発表されるインフレ指標に焦点が移る中で勢いがなくなった。
為替
外国為替市場ではブルームバーグ・ドル指数が上昇。米国債利回りの上昇につれてドル買いが入った。雇用統計の年次改定が発表されると、値動きが荒くなる場面もあった。
原油
ニューヨーク原油先物相場は小幅続伸。市場は、イスラエルによるカタールでの攻撃により中東からの原油供給にリスクが生じるかどうかを見極めようとしている。中東は、世界の原油供給の約3分の1を占める。
金(ゴールド)
ニューヨーク金先物相場は続伸。米金融当局が年内に複数回の利下げを実施するとの見方が強まり、金への追い風となっている。
経済指標
前日の主要な経済指標の結果
本日の主要な経済指標
9日 米国
21:30 8月卸売物価指数(PPI)(前月比) 前回 % 予想% 結果 %
テクニカル分析
通貨強弱

上グラフは通貨強弱。15時ころ円高、20時頃からややドル高になりました。
値動き

ドル円は、米雇用統計の年次改訂の下方修正予測が意識された。同時に日銀が政局が利上げに影響されないという記事がでて、一時円高となりました。米雇用統計の年次改訂の下方修正は織り込みの範囲内となり、その後はドル高になりました。
チャート分析

ドル円の日足チャート。9/10 6:00のレートは147.41。レンジの上限付近からの下落。意識される直近安値は7/24の145.88となっています。次の意識される上のラインは、7/16高値の149.17となります。このレンジは1か月以上続いています。
シナリオ構築
*当サイトは個人の見解です。投資判断は各人の判断で行ってください。
月単位の見通し(スイング向け)
シナリオ① 政策金利
9/5の米雇用統計の結果は、労働環境は悪化していることが確認され、ドル円は日足で1.10円の下落となりました。9/17日のFOMCでの利下げは完全に織り込まれて0.50%の利下げ確率が8.2%となっています。
次の注目は、9/11の米CPIとなります。前日9/10が米PPIとなっており、物価に関する環境を確認することになります。
・PPI・CPI共に上振れ>>物価高と市場は受取りドル高も限定的
・PPI・CPI共に下振れ>>ドル安、FOMCでの0.50%利下げ観測は加速となります。この方向がより動くと思われます。
8/22 パウウェル議長公演で利下げに進むと市場は判断
9/5 雇用統計は先月に続き悪化
日銀 政策金利 0.50% 10月利上げ観測は後退 30%程度
週単位(デイトレ向け)
本日は主要な経済指標の発表がありません。
シナリオ② レンジ内のトレード

上はドル円の9/4からの1時間足です。上限149.2 下限146.8 と考え、今夜のPPIは関税による物価上昇の影響が懸念されています。上昇を意識して動きが出たらエントリーし、値幅で利食いと損切を設定します。チャート形状を重視したテクニカルトレードとなります。値動きは不安定なので慎重におこなう必要があります。
・東京時間 10日なので仲値に向けてドル買いを意識
・ロンドン時間以降 PPIを意識。着前情報をチェック
参考 利食い 0.5円 損切 0.3円
シナリオ③ 地政学リスク
1、ロシアウクライナ戦争の停戦協議(和平合意)は大きく後退。両首脳の直接会談は実施されそうにない状況
・トランプ氏の介入>>圧力強化
2、イスラエル、ハマス指導部狙いカタールで攻撃-アラブ諸国の反発必至
・地政学リスク進む。>>安全通貨、安全資産への退避 ドル、スイスフラン、金の高騰
これらは頭の片隅に「可能性」としてインプットする。
日単位(スキャル向け)
シナリオ② レンジ内のトレード

上はドル円の9/8からの15分足です。上限148.5 下限147.3 と考え、値が動きやすい 9時台、15時台、21時台、23時台を狙います。エントリーは順張り、逆張りのどちらも有効ですがポジション保有は短く、値幅で利食い・損切します。
・東京時間 10日なので仲値に向けてドル買いを意識
・ロンドン時間以降 PPIを意識。着前情報をチェック
参考 利食い 0.1円 損切 0.03円 過度なトレード回数に注意です。回数は事前に決めておきましょう。
まとめ
当サイトでは、東京時間まえにファンダメンタルズ、テクニカル分析、シナリオ構築をおこない情報を更新しています。皆様のFXトレードの参考になれば幸いです.
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。ドル円中心にこれからもよろしくお願いします。
*当サイトは個人の見解です。投資判断は各人の判断で行ってください。
投稿スケジュール
毎朝5分で分かるドル円中心に投資情報を配信。週末は振返りと次週の戦略
・月から土 朝6:30頃
・日 休
記:しまてつ
トレードスタイル:ディトレーダー
取引通貨:ドル円、ユーロドル,ポンドドル
CFD:原油、金(ゴールド)
私は過去から学ぶことは大切と考えております。しっかり検証することで、未来を予測し、それがその通りにいかなかった場合の対応もできるようになると考えています。
*参考資料 ブルームバーグ(無料版)、ロイター(無料版)、外為ドットコム、他無料参照情報元
*使用アプリ トレーディングビュー