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ここではドル円を中心に今週の振り返りをおこなっています。私は過去から学ぶことは大切と考えております。しっかり検証することで、未来を予測し、それが想定通りいかなかった場合の対応もできるようになると考えています。それでははじめていきましょう。
ファンダメンタルズ
今週の経済・政治の動きをまとめました。
5月26日
日鉄株が大幅高、USスチール買収巡るトランプ氏の曖昧な「承認」でも
・トランプ氏はなお、これは投資であり部分的な所有だとの考え示す
・日鉄には借入金増加に加え増資の可能性が高まる-アナリスト
週明けの東京市場で、日本製鉄の株価が急伸し、一時前営業日比7.4%高の3081円を付けた。トランプ米大統領が同社とUSスチールとの提携を発表したことを受けた動きだが、同氏の曖昧な「承認」には疑問の声も出ている。
トランプ氏は25日も明確な説明をほとんどしなかった。 「米国によってコントロールされることになる。そうでなければ自分はこの取引を認めない」と、トランプ氏はニュージャージー州モリスタウン空港で記者団に語った。「これは投資であり、部分的な所有だが、米国によってコントロールされることになる」と話した。
【米国市況】現物市場は休場、株式先物に買い-ドル142円台後半
メモリアルデー(戦没者追悼記念日)で現物市場が休場となるなか、米株式先物相場は上昇した。トランプ米大統領は欧州連合(EU)に課すと脅した50%関税について、発動までの猶予期限を延長。圧力を強めては緩和するパターンの繰り返しが改めて鮮明になった。
世界の準備通貨としてのドルは、今年に入りその魅力が薄れている。商品先物取引委員会(CFTC)が23日発表した大口投機筋の建玉(未決済約定)データによれば、20日終了週のドル売り越し額は124億ドル。前週の165億ドルから縮小したが、依然弱気に傾斜している。
5月27日
【日本市況】超長期金利の低下加速、発行減額観測-円相場は下落転換
・40年国債、30年国債利回りはともに一時20bp以上も大幅に低下した
・債券減額「期待先行で走っているようにみえる」-みずほ証の大森氏
27日の日本市場は超長期金利の低下(債券価格は上昇)が加速した。債券発行減額観測を含めて需給改善期待が出ている。金利低下で円が下落、株式は上昇に転じた。
債券
債券相場は超長期債が大幅に上昇した。発行減額を巡る思惑が浮上しており、28日に行われる40年利付国債入札は順調に消化されるとの楽観論が強まった。
米消費者信頼感、4年ぶりの大幅上昇-関税一時停止で見通し改善
・5月の信頼感は12.3ポイント上昇の98、全エコノミスト予想を上回る
・期待指数、現況指数ともに上昇-現在の雇用市場に対してはまちまち
米消費者信頼感指数は5月に急回復し、4年ぶりの大幅上昇となった。前月は5年ぶりの水準に落ち込んでいた。関税の一時停止を背景に、景気や労働市場の見通しが改善した。
USスチールの黄金株を米政府が取得へ、日鉄の買収巡り-関係者
・黄金株により特定の意思決定に対して政府に事実上の拒否権を付与
・USスチール買収をトランプ政権がどう判断したかは依然として不明
5月28日
【日本市況】超長期金利が上昇、40年入札は低調-日経平均は小反落
28日の日本市場では超長期金利が上昇(債券価格は下落)。財務省がこの日実施した40年国債入札が低調な結果となり、需給悪化を懸念した売りが出た。円は対ドルで144円台を中心にもみ合い、株式は日経平均株価が4営業日ぶりに小反落した。
債券
債券相場は下落。40年債入札が「低調」な結果になったと受け止められ、需給不安が高まるとして超長期債のほか先物にも売りが膨らんだ。
為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=144円台を中心にもみ合った。株高によるリスクセンチメントの改善や輸入企業のドル買い観測を背景に144円台後半に下げる場面があったが、前日に大幅反発したドルの調整売りが円を下支えした。
株式
日本株相場は日経平均株価が4営業日ぶりに小反落。上昇して始まり、一時2週間ぶりに3万8000円台を回復したが、徐々に持ち高調整や利益確定の売りが優勢になった。
FOMC議事要旨、慎重姿勢が適切と判断-関税起因の不確実性で
・インフレと経済の見通しがより明確になるのを待つ状況が整っている
・FRBスタッフは2025、26年の成長見通しを下方修正-関税を反映
今回の議事要旨で、政府の政策変更で経済見通しが不透明になる中、FOMC当局者が当面は政策金利を据え置く考えを示していることが浮き彫りとなった。FOMCは5月会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25-4.5%で維持。据え置きは3会合連続。
EU通商担当、米商務長官ら29日協議-独自動車は合意近いとの報道も
・シェフチョビッチ欧州委員がラトニック、グリア氏と協議予定
・BMWやVWが関税でラトニック氏と集中協議、合意に近づく-独紙
【原油】OPECプラス、生産枠を維持-7月も大幅な生産回復継続か31日決定
・今年と来年の長期的な目標を据え置き-複数の参加国代表
・7月生産量はサウジ、ロシアなど8カ国会合で31日に決定-関係者
市場への影響が大きいのは、日量41万1000バレルの生産引き上げを3カ月連続で実施するのかどうかだ。過去2カ月はこの大幅な生産回復で原油価格が急落した。
4月3日に予定された規模の3倍の生産引き上げを発表し、市場に衝撃を与えたのも、この8カ国のグループだった。
5月29日
トランプ氏の通商戦略に打撃、米裁判所が関税の大部分を違法と判断
米国際貿易裁判所がトランプ大統領の関税措置の多くを違法と判断し、政権の通商戦略は打撃を受けた。 同裁判所の判事3人から成るパネルは28日、トランプ氏が貿易相手国・地域に対する関税に1977年の国際緊急経済権限法(IEEPA)を不当に適用し、従って輸入関税は違法だと結論付けた。この判断は、米国境を巡る安全保障や合成麻薬フェンタニルの取引を理由にカナダとメキシコ、中国に課された関税にも適用される。政権側は控訴する意向を直ちに示し、最終的な判断は連邦最高裁判所に委ねられる可能性がある。
ドル失速、下落に転じる-一時急伸も軟調な経済指標で不透明性強まる
29日の金融市場では、ドルが反落。米国際貿易裁判所がトランプ大統領の関税の多くについて違法と判断し、ドルは一時急伸したが、米国の経済成長と雇用関連の統計がいずれも弱く、投資家の不安を増幅させた。
トランプ関税、連邦高裁が当面の効力認める-政府の要請に応じ
・国際貿易裁判所の違法判断、長期的な効力停止の是非を高裁検討へ
・高裁が効力停止しなければ、政府は最高裁に介入求める意向だった
トランプ氏、パウエル議長に利下げを要求-ホワイトハウスで会談
・利下げを行わないのは間違いだと伝えた-ホワイトハウス報道官
・政策決定は客観的な分析のみに基づいて行うとパウエル氏
米GDP改定値は0.2%減、個人消費が低迷-貿易の影響は拡大
米経済は1-3月(第1四半期)に縮小。個人消費の低迷が響いた。輸入の伸びは速報値から上方修正された。
米失業保険の継続受給者数、2021年来の高水準-雇用統計への影響示唆
米失業保険の統計で継続受給者数が増加し、2021年11月以来の高水準となった。5月の失業率上昇を示唆している可能性がある。
経済指標情報
21:30 米国
1-3月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比年率) 前回 -0.3% 予想-0.3% 結果-0.2 %
前週分新規失業保険申請件数 前回 22.6万件 予想23.0万件 結果 24.0万件
前週分失業保険継続受給者数 前回 189.3万件 予想 189.4万件結果 191.9万件
【原油】サウジアラムコ借り入れ継続へ、事業拡大と財務強化目指す-CEO
・資金不足に直面し、新たな調達必要-原油安でキャッシュフロー減少
・負債比率は3月末に5.3%、昨年末4.5%から上昇-業界で最低レベル
5月30日
【日本市況】株式反落、米関税懸念再燃と円高を警戒-債券は買われる
30日の日本市場では株式が反落。トランプ米大統領の関税政策に対する違法判断の効力が一時的に停止され、米関税を巡る懸念が再燃した。為替の円高推移も嫌気された。米長期金利が低下した流れを受け債券は上昇。
外国為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台後半で推移。5月の東京都区部CPIが予想を上回ったことを受け円買いが優勢となった。米経済指標の不振や関税政策を巡る不透明感もドル売り・円買い要因で、一時は143円台半ばまで上昇した。
【米国市況】S&P500ほぼ横ばい、日中は値動き大きく-144円近辺
30日の米株式市場でS&P500種株価指数はほぼ変わらず。中国が米国との「合意に違反した」とトランプ大統領が主張したほか、トランプ政権が中国のテクノロジー業界に対する制裁を拡大する計画だとの報道を受け、日中は総じて軟調に推移。一時は1.2%安となった。ただ午後にトランプ氏が、中国の習近平国家主席と会談する見通しだと述べたことに反応し、下げをほぼ埋めた。
米国債
米国債相場も値動きの大きな展開となった。4月の米個人消費支出(PCE)統計では、個人所得が市場予想を上回る伸びとなった一方、PCE価格指数はほぼ予想通りとなった。その後は、米中の貿易関係が意識された。
為替
外国為替市場ではドルが小幅高。米国の関税政策を巡る不確実性や強弱まちまちな経済データが意識された。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は、月間ベースでは0.6%下げた。
円はこの日、対ドルで上昇。朝方に143円40銭台に上げを拡大した後、下落に転じて一時144円40銭台となる場面もあったが、その後再び反転した。
原油
ニューヨーク原油相場は続落。米中間の貿易協議の現状を巡るさまざまな情報を消化する中、荒い値動きとなり値幅は約2ドルに達したが、結局は小幅安で引けた。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成するOPECプラスは7月の原油生産引き上げについて、31日に開くオンライン会合で、日量41万1000バレルを超えるペースに加速させることを検討する。事情に詳しい関係者が明らかにした。予想を上回るペースで生産引き上げが進んでおり、年内に市場が供給過剰になるとの観測が強まった。
金
金スポット相場は反落。この日発表された米経済指標を受けて、年後半まで利下げは必要ないとの見方が強まった。
このシナリオは金にとってマイナスとなる。金は金利低下の環境で恩恵を受ける傾向がある。
金は週間ベースでは約2%下落。前週は5%近く上昇していた。
米PCE統計、消費者の支出失速鮮明に-財輸入は過去最大の減少
4月の米個人消費支出(PCE)統計では、支出の伸びが減速した。実質PCEは前月、2023年1月以来の大幅増加となっていた。一方、これとは別の統計である4月の米前渡し商品貿易収支によると、輸入額は前月比19.8%減と過去最大の落ち込みを記録した。
経済指標情報
日本 8:30
4月失業率 前回 2.5% 予想2.5% 結果 2.5%
4月有効求人倍率 前回 1.26 予想1.26 結果 1.26%
5月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比) 前回 3.4% 予想 3.5% 結果 3.6%
21:30 米国
4月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比) 前回 2.3% 予想2.2% 結果 2.1%
4月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
前回 0.1% 予想 0.1% 結果 0.1%
4月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
前回 2.7% 予想 2.5% 結果 2.5%
テクニカル
テクニカル分析をおこなていきます。まずは、下図はドル円の4時間足チャートです。

下図はドル円の日足チャートです。

トランプ大統領就任以来の長期下降チャンネルがそろそろ外れていきそうです。かといって上昇に転じたともみえません。赤い□の範囲でレンジとなっていきそうです。
下表は5月の値動き表です。

27日は日本債権減額観測とUSスチール買収承認、29日は関税違法から当面維持。27日以外は終始では大きなボラティリティとなっていません。スキャルピングやデイトレにはチャンスが多かったといえます。
まとめ
5月26日-5月30日の週のドル円の動きについてまとめました。
1、前半は日本国債の発行減額観測から円安と円金利安
2、後半はトランプ関税は裁判所から違法判決も上告により当面有効となりドル高からドル安
3、経済指標は少なく、影響も少なかった。
債権について通常は 金利低下→債権価格上昇
今回長期債権入札が低調で、債権の発行を減らす可能性がある。すると債権発行減額観測→円下落・日本株式上昇なります。
今月最終週の注目ポイント
・関税に関するトランプ大統領の発言 対EU続報や他国に対して
・日本・米(アメリカ)の経済指標
6/2(月) 5月ISM製造業景況指数
6/3(火) 4月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
6/4(水) 5月ADP雇用統計(前月比) 5月ISM非製造業景況指数(総合)
6/5(木) 欧州中央銀行(ECB)政策金利
前週分新規失業保険申請件数
6/6(金) 5月非農業部門雇用者数変化(前月比) 雇用統計
経済指標+関税で値動きを見ていきましょう。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。ドル円中心にこれからもよろしくお願いします。
記:しまてつ
トレードスタイル:ディトレーダー
取引通貨:ドル円、ユーロドル
CFD:金スポット、原油
(銀・天然ガスは情報が少なく金・原油に切換ました)
*参考資料 ブルームバーグ(無料版)、外為ドットコム
*使用アプリ トレーディングビュー